英語のお勉強
寓話の迷い道 in 英語格言の森 その11

いよいよ梅雨らしい天気が続いておりますが、気温だけみていると、もう夏間近だと感じられてなりません。『理科年表』をざっと眺めてみると、実際に気温は平年より高くなっているようです。


さて、今回紹介する話は、そんな最近の天気事情とは――関係のないお話です。



「ライオンとウサギ」


ライオンが寝ている兎にでくわし、その兎を食べようとした。そのとき、鹿が通りかかるのを目にしたため、兎をほったらかしにして鹿を追いかけた。兎は物音に飛び起きて逃げ出した。ライオンは長いこと鹿を追いかけたものの、捕まえられず、兎のところへ戻った。しかし、既に兎は逃げてしまっており、それを目にしてこう言った。


「当然の報いだ。手の中の獲物を放り出して、大きな望みを選んだのだから。」

この寓話、いかにもありそうな話ですが、これまで紹介してきたものと異なり、さほど有名なものではありません。それでもいわんとするところは分かりやすいものです。

いずれにせよ、お話の基本的な流れは、烏が言葉巧みに近付いてきた狐に騙されるというものです。見るからに狐の発言はうさん臭いものですから、

He who runs after two hares will catch neither. <二兎を追う者は一兎も得ず>

この話を読むと、この言葉が思い浮かぶのではないでしょうか。ライオンが「二兎」を追ったわけではありませんが、欲張ったあげくに、結局何もその手に残らないところなどは、似ています。


If the sky fall, we shall catch larks.. <空が落ちればヒバリが捕れる>

やはり「たなぼた」なんてことはそうあるわけでもないです(というか、この言葉通りだと皆無ということになります)が、せっかく好機にでくわしても、欲張ってそれを逸っすれば何も手に入れられないのです。


しかし、このライオンは「たなぼた」を期待して行動していたわけでもなく、妙にものわかりが良いですから、


A wise person profits from his mistakes. <賢い人は過ちから利益を得る>

ということで、次は失敗しないことでしょう。

ところで、寓話集ではこのお話に「このように、程々のもうけに満足せず、より大きな望みを追い求めて、いつのまにか手の中のものまで失ってしまう者たちもいる」という言葉が付されています。さほどひねりのない言葉ですが、二千年近く前から人って変わってないのね、と感じるところでもあります。――「程々のもうけ」というのが曲者というのも変わっていないとは思いますが。